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この世界にはまだ歌われていない歌がある。
その歌はきっと歌われることを待っている。

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『「ハゲ」と「カゲ」』ブッダスクール通信vol.69

みなさま、こんにちは!
ブッダスクール通信メルマガ担当のさめじまみおです。

だんだん初夏へと近づいている今日この頃。
気づけば5月も半ばですね。
梅雨ももうすぐというところですが、個人的にはこれから景色があじさいの王国となっていくのが楽しみです。

さてさて、職業がらといいますか、たまにSNSに、自撮りや自分の写真をアップすることがあります。
はい、もう、ばっちり加工します。
加工後の写真こそが「これぞわたし」と思えるから。

というのが理由ですが、「これぞ」というのは、つまり、そういう“見せたいわたし”を発信すべき、と思っているということでしょう。

一方で、夫がふとしたタイミングで撮ってくれるわたしの写真はといいますと、これがもう、本当ーーーーに、ひどいのです!!

どういう写真かと言いますと、

……の、つづきは編集後記にて。

さてさて、お待たせしました!
ここでしか読めない、つうりさん特別コラムにさっそくいってみましょう。

 

〔1〕齊藤つうり特別コラム 『「ハゲ」と「カゲ」』

最近私の頭頂部は薄くなってきた。
シンプルに言えばハゲてきた。
そのスタートは2019年だった。

法人とスクールの立ち上げに追われ、徹夜や睡眠不足が続くなか、毎日のように、大きなエッジに立ち続けていた。
ふと、鏡にうつった自分に小さな違和感を覚えた。
頭頂を映してみると、そこには乾いた黄色い大地が広がっていた。

人間は失ってみてはじめて、自分がどれほどのものを得ていたのかに気づくことがある。

頭頂部に茂っていた豊かな森林のような毛髪が失われ、砂漠のようになったありようを観察し、私はかつて自分が何を持っていたのかをようやく実感した。

そんなとき3歳ほどになる娘がレゴのヘリコプターに見立てたものを、私の頭頂へ置き、「ヘリポート!!」と満遍の笑顔で言った。

正直なところ、自分が「ハゲる」ということをまったく予想していなかった。
私の頭髪はローマの兵士のように強く、固く、そして量も申し分なかったのだ。
だからこそ「ハゲる」ということに関する心構えもなかったし、それが何をどんなものをもたらすのかもわからなかった。
そしてまたハゲた自分の姿に、「気持ち悪さ」を覚えた。

ハゲはみっともない。ハゲは恥ずかしい。
そんな思いが生まれたのだ。

それからというもの、男性と会うと、ふと頭髪を見てしまうことがあった。

かなりの高齢でも、ロシアのツンドラのようにびっしり生えている「ツンドラタイプ」。
若年なのに、サハラ砂漠のようになってしまった「サハラタイプ」。
そんな人たちと自分と比べて、一喜一憂している自分に気づき、心の奥に独特の気持ち悪さを覚えた。

そしてこう思ったのだ。
何が気持ち悪いのだろう?
この気持ち悪さは私に何を伝えようとしているのだろう?

ブッダスクールでは、主に自己統合のセクションで「影―シャドウ―」を扱う。

シャドウの理解と実践は、その人自身の「心の大きさ」をそのまま表すといえる。
逆を言えば、シャドウの理解と実践を持たない人は、どれほど優れた知識やスキルがあったとしても、「心が小さい」という印象を相手にもたらすだろう。

そしてもしあなたがリーディングやセラピスト、あるいは対人関係のなかで、広がりを感じていないとしたら、あるいは個人の活動に何かの限界を感じているとしたら、今回の「シャドウ」についての文面は何かの参考になるかもしれない。

ユング心理学では、影―シャドウ―とは、「その人が生きてこなかった部分」であり、「無意識のすべて」である。
また「生きてこなかった部分」であるわけだから、
「切り離した自分自身」がシャドウであるといえる。

自分にとって不快な人、気持ち悪い人。
ここにシャドウがあるのだ。

それはつまり「受け入れ難い自分自身」を示しているのであり、受け入れ難いからこそ、自分とは切り離してしまう心の働きが生まれるのだ。

つまりシャドウとは、「自分の中にあるものなのだけど、自分のなかにあるとは認めたくないもの」。
そしてまたシャドウの統合とは、自分の中にあるとは認めたくなかったけど、それを認め、引き受ける態度といえるだろう。

そして話をハゲに戻そう。

ある時、私は自分に問いかけた。
私にとってハゲとはなんだろう。
もしそれがシャドウだとしたら、どのようなシャドウなのだろうか?

みっともないもの。かっこわるいもの。恥ずかしいもの。
そしてさらに深いところに触れていくと「自分が優れていないと受け入れてもらえないという思い」に触れる。
みっともない自分なんて誰も必要としていない。

そのとき、ふと心の奥の方にある何かの領域に触れた感覚がやってくる。

年をとった男たち。
何かに捨てられた女たち。
希望を失い、進む道が見えない人たち。
「切り捨てられた感覚」のなかに沈んでいった魂たち。

これまでの人類の記憶のなかで、切り捨てられた人たち、忘れさられた人たちがそこにいた。
そして周りの人は愛をむけているにもかかわらず、それを自分の小さなプライドで受け取ることのできない頑固な人たちがそこにいた。

彼・彼女らは叫んでいた。
「愛は条件にすぎないのか!」
「役に立たない私は愛されないのだ!」
「ほんとうの愛はどこにあるんだ!」
「私はひとりぼっちなんだ!」

悲痛そのものの叫びをあげる彼・彼女らは、人間の集合意識の奥に沈む影―
誰もが見たくないもの―そのものだった。

私はそこに降りていき、その叫びとひとつになってみた。
そして私も叫んだ。
そしてその叫びの力とひとつになった。
そして最後に私はその叫びを抱きしめた。
私のなかにある「切り捨てられた感覚」そのものを私は抱きしめた。

やがてその「切り捨てられた感覚」はあたたかな胎児となり、おだやかに私の胸で眠った。

誰のなかにも、シャドウを恐れる心がある。
私の中にも、もちろんある。
けれどシャドウを切り離そうとするとき、それは苦しみになる。

私たちはシャドウを遠ざけたいと願う。
けれどシャドウは遠ざければ遠ざけるほど、恐ろしいものとしてより強い力を振るうようになる。
それは自分の一部を切り捨て、傷つけ続けることに他ならないからだ。

だから私はこう思う。

みっともなくハゲていく自分自身を受け入れていこう。
どんなに恥ずかしくても、私は私を愛そう。
そしてどんなにかっこわるくても、愛されるのだということをまず私自身に教えてあげよう。

愛はそんなに弱いものではないといつも自分に伝えよう。
高い自分と低い自分はひとつであり、その二つは切り離すことができないのだから。

その二つの自分を受け入れた場所に、ほんとうの愛があるのだから。

 

〔2〕最新スクール情報

【募集開始】アカシック《ベーシック》コース
2025年10月11日(土)開講《全講義オンライン形式》

アカシックリーディングとアカシックガイドを習得する4日間集中プログラム。

この4日間のクラスでは、アカシックレコ-ドに関する基本的な概念、読み解くための方法、そして他者をリ-ディングするための実践的なテクニックを習得することができます。

日本で最も多くのアカシックリ-ダ-を育成した経歴を持つ齊藤つうりによる長年の経験と豊富な知識によって、誰にでもわかりやすい講義や凝縮したワークによる、非常に充実した内容です。

【募集開始】アカシック《ベーシック》コース 全日程オンライン

 

〔3〕編集後記

 

すっぴん・ぼさぼさの髪・だらしないパジャマ姿。
さらには、絶妙に二重あごに見える角度や、お腹がぽっこり出て見えるアングルなど、「どーーしてこの瞬間を!?」と叫びたくなるコレクションばかり。

わたしはいつも「そんなのわたしじゃないし」とぷりぷり怒って、夫は「ホントに笑えるんだけど。今日のSNSに使っていいよ?」と悪びれずに言う。

なんなの、嫌がらせなの?と思っていた時期もありました(笑)。

でも18年も一緒に暮らしている夫にとって、目に映るわたしの姿は、おそらく“そっちのわたし”なんですよね……。

ある日、また例の「ひどい顔シリーズ」を見ながら

ゲラゲラ笑う夫の横で、意を決してその写真たちをわたしも見てみることにしました。
正直、「こんなのわたしじゃない……」と思いました。

でも、見ているうちに、なんだかおかしくなってきて。
プッと笑って、そのまま大笑いしている自分がいました。

ふにゃふにゃと気が抜けた顔。目の輝きなんて1ミリもない。
キリッと!デキる人!みたいな気配はまるでない。
でもその中に、わたしの“本当のやわらかさ”みたいなものがあった気がしたのです。

わたしは、わたしのことを、肉眼で見ることはできません。
この目で、わたし自身の姿を“見る”ことは一生ない。

そんなふうに思ったとき、夫の目に映っているひどい顔も「それもまた、愛おしいわたしなのだ」と、ふと感じました。

「こうでなければ」「こうあるべき」と、つい力が入ってしまう毎日。
でも、すべてを手放したような顔も、体も、ゆるみきったわたしもまた、わたしの一部。

どちらも嘘じゃない。
どちらも、まるごと、わたし。

そんなふうに思えたら、自分の全部に、ちょっとやさしくなれる気がしました(とはいえ、この時期紫外線対策も保湿もやりますけどね!)。

今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました!

文責:さめじまみお

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