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この世界にはまだ歌われていない歌がある。
その歌はきっと歌われることを待っている。

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【ブッダスクール通信vol.72】「ゴールデンレトリバーのモモが肉体を離れた話」

◉ ゴールデンレトリバーのモモが肉体を離れた話 ◉

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ブッダスクール通信vol.72
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みなさま、こんにちは!
ブッダスクール通信メルマガ担当のさめじまみおです。

気づけば、6月ももうすぐ終わり。
梅雨空のもと、湿気とともにやってくる感情のゆらぎや、静かな内省の時間も増えている方も多いのではないでしょうか。

この6月、個人的にはとてもエポックな出来事がありました。
それは……なんと、3月からうん十年ぶりに再開したピアノの発表会があったのです。

当日の会場には、ヤマハのS3Xというホール用のグランドピアノが置かれていました。
その音を聴けるというだけで、もうワクワク。

生徒さんたちの発表用の曲がひとつひとつ奏でられていくたびに、そのホール全体を包みこむような音色にうっとりとしていました。

そしてさらに、今回は第二部として、ある特別なゲストが登場したのです。

なんと、今年10月のショパン国際コンクール本選に出場が決まっているピアニストの方が、先生とのご縁があって特別に演奏してくれるというのです!

と、お話のつづきは、また編集後記にてつづらせていただくとして……。

お待ちかねの、つうりさん特別コラムにさっそくいってみましょう。

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〔1〕齊藤つうり特別コラム
「ゴールデンレトリバーのモモが肉体を離れた話」
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ゴールデンレトリバー「モモ」が6月22日に、肉体を離れた。
6月21日に誕生日を迎え14歳になったばかりで、大型犬の14歳は、人間の歳では113歳になるのだとか。

モモは2年前に、姉の家から寺にやってきた。
老犬に見えず、子犬のような雰囲気で、とても優しく穏やかな性格だった。

モモには不思議な力があった。
どんなに犬が苦手な人でも、モモに関しては、その抵抗がゼロになってしまう、という力だ。
すっと人の心に入って、その距離をゼロにしてしまう。そして純粋な愛を引き出してしまう。

ゴールデンレトリバーという犬種はもちろん多かれ少なかれ、そういった性質も持つのだが、他の同種と比べても、モモは圧倒的な力を持っていたと言える。
息子の五大も、モモに会うまでは犬が苦手だったのだが、モモにだけは特別な愛を交わすことができたようだ。

そして寺には大勢の人が来る。
モモの持つ力は寺という場にとてもフィットしていた。
寺に来る人々に、モモは穏やかな愛を手渡し、やわらかな何かをモモから受け取り、帰るのだった。
どんなに強面の人も、モモに会うと笑顔になった。

そんなモモだったが、高齢に見えず、同様に動きもそれほど衰えはなかった。
近所の人たちはモモのことをずっと子犬だと思っていたほどだった。

しかし夏至の5日ほど前から、急に立てなくなり、食が細くなった。
最後の2日ほどは食を断ち、呼吸が荒くなり、肩で息をするようになった。

そして肉体を離れるその日。

幼い頃からモモの一番近くにいた姪っ子たち(姉の子供)がモモの話を聞き、東京から帰ってきた。
そして姪っ子たちは、1日中モモのそばにいた。
モモは相変わらず可愛い顔をして、姪っ子たちを見た。
そしていつものように愛を広げようとした。
とても苦しそうに呼吸をしながらも、首を持ち上げる様子を見て「モモ。もう大丈夫だよ。苦しいんでしょ?」と言い、姪っ子たちは泣き出してしまった。

夕飯後も皆でモモを囲んでいたが、このままでは、モモは皆に気を使って、移行できないはず。
私はそう伝えて、姪っ子や他の家族はモモに感謝とお別れを伝え、それぞれの家へ帰った。

そしてモモと私だけが寺に残った。

うつ伏せの姿勢のまま(この姿勢が一番苦しくないので、この姿勢にした)、荒く、苦しそうな呼吸を続けるモモの隣に私はいることにした。
肉体を離れ、移行しようとするモモの呼吸に、私の呼吸を合わせてみる。
呼吸を合わせ、モモの心に入るのだ。
まるでホロトロピックブリージング(強く激しい循環呼吸。解放のワークなどで用いる)だ、と私は感じた。

粗雑な意識から、精妙な意識へ。
仮に宿る物体の意識から、一つ上のアストラルの次元へ。

折り重っているこの世界の階層と記憶の領域を、モモと一緒にひとつひとつ辿っていく。
そして集合無意識の領域へと、モモと共に入ると、ある特殊な場所へと私たちは入り込んだ。

ピンク色の大気に、無数の白い羽が舞う景色。
ここは見覚えがある。
天使の帯域。セレスティアル領域だ。

セレスティアル領域で、モモは自分のセルフイメージを仮の犬の姿から、本当の姿へと解き放つ。
その瞬間に、無数の羽を散りばめて、モモは細く長い鷺のような姿の天使へと戻る。
向こうからもう一羽、同じ姿をした天使が迎えに来る。
モモだった天使は嬉しそうに、迎えを受け入れる。
そして二羽の鳥・天使は連れ立って、飛び立つ。
まるで昔の映画のラストシーンのような光景のようだった。
映画のラストシーンと違うところは、私が涙を流しながら「モモー!さようなら!!」と叫ばないところと、夕陽が沈みかけていないところだった。

私はあまりにも多くの死の瞬間に立ち会い過ぎてしまい、それが別離であるという感覚を失ってしまった。
私にとっては、こっちでもあっちでもそんなに大差はないのだ。
すべての存在は内側にあらわそうとするものを持ち、それを表していくだけなのだ。

私はただただ、その光景を見ていた。
やがてモモは空を覆うほどの、大きな天使の一群のなかに取り込まれていった。
その天使の一群は太陽のように見えた。

ふと気がついて、私は肉体に戻った。

横にいるモモを見ると、目を開けたまま、呼吸が止まっていた。
しかしいま呼吸は止まったばかりなのだろう。
まだ身体はあたたかく、やわらかだった。
モモの姿勢をなおしてやり、目を閉じさせた。
モモは相変わらず、ぬいぐるみのように幼く、可愛かった。

明かりを落とした部屋のなかで、モモの背中から、キラキラとした細かな光の粒子が、毛から湧き立つように立ち上っていった。
真っ直ぐ上に上がっていく線香花火のような輝きだ。
外側の呼吸が止まったが、内側の呼吸はまだ続いているのだ。
この内側の息が止まるまで、この肉体の内側にある物理的な生命の火による光の粒子の輝きは続く。

暗い部屋で蝋燭を眺めるように、モモの肉体から浮かび上がる美しい火を、私はしばらく眺めていた。

 

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〔2〕最新スクール情報
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【明日開催・残席わずか】寺舞 ーThe Dragon Ritualー <現地開催>
2025年7月1日開催

この「寺舞ーDragon ritualー」は、2025年の7月の地球の覚醒のタイミングを間近にし、龍との接触を体験し、目覚めた意識の変容に開かれるために行われます。

このイベントでは、650年続く伝統的な寺院の本堂にて龍との接触を体験するための「ドラゴンリチュアル」を行います。

声明と歌と神楽の舞と音を効果的に用いることで、演者と参加者の壁を越え、全員で内面深くへと降りていくプロセスを共有します。

また第二部では「ドラゴンムーブメントワーク」として、声明によるボイスワーク・シアターワークの導きのムーブメントワークを行います。

またこれらのリチュアルとワークを通し、龍と関わり、地球それ自体と創造の場を作り出すことを意図しています。

https://buddha-school.jp/event/dragon-ritual/

 

【募集中】アカシック《ベーシック》コース 全日程オンライン
2025年10⽉11日(土) 開講

この4日間のクラスでは、アカシックレコ-ドに関する基本的な概念、読み解くための方法、そして他者をリ-ディングするための実践的なテクニックを習得することができます。

そして、ただ単にクラスを受講したというだけではなく、この4日間を終了することによって、恒久的な変化があなたに訪れることでしょう。

そのことによって、あなたはアカシックレコ-ドという存在が、あなた自身と密接に関連しており、仕事、人間関係、健康などのとらえ方に大きな変化が起こることを体感することでしょう。

https://buddha-school.jp/event/akashicbasic20251011/

 

【募集開始】アカシック【エキスパート】コース
《オンライン》2025年11月29日(土)開講

本コースは、アカシックレコードリーディング・ガイドのスキルを向上し、あらゆる領域で活用するためのコースです。

またアカシックレコードの全体像を理論的に理解し、より詳細な情報を扱っていきます。
アカシックをスピリチュアルと呼ばれる領域だけではなく、科学・量子力学・ユング心理学といった観点を取り入れながら深めていくために、コース生は多角的かつ、実用的な領域でアカシックを活用することを可能とします。

そしてまた個性化の傾向性を、身体症状や自分自身が住う環境、アカシックグリッドといった観点から深めていくという独自の方法を行い、「なれる最高の自分」を本質的に生きるためのクラスといえるでしょう。

非常に幅広いワークを取り扱い、受講者のアカシックの可能性を大幅にひろげてゆきます。

https://buddha-school.jp/event/2025akashic-expert/

 

【募集開始】スピリチュアリズム探求クラス Plus
2025年11月1日(土)開講

私たちがここで提供するスクールは、特定の教えや信念体系のなかに皆さんを閉じ込めるものではなく、世界中のスピリチュアリティの体系や五感を超えた体験をとおして、あらゆるとらわれから自由にするために存在しています。

スピリチュアリティ(精神性・霊性・5感を超えた知覚)を探究し、開発することは、人間の自然な欲求です。

私たちは誰もが本質的な自由を求める存在だからです。
時代はすでに移り変わっています。

誰もが5感を超えた知覚を開発し、物理的現実を超えた世界を体験することが当たり前になる時代へと入りました。

万人にひらかれたスピリチュアリティの探究を、本質的かつ信頼おける方法で提供できる場が、いままさに世界中で必要とされています。

その確信を私たちのビジョンとし、ブッダスクール「スピリチュアリズム探究クラスPlus」を提供します。

https://buddha-school.jp/event/spiritualism2025/

 

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〔3〕編集後記
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やがてその方がステージに現れ、静かに椅子に腰をかけました。
そして最初の音が、そっと空間に放たれた瞬間、空気が変わったのを、はっきりと感じました。

それは、音というより「光の粒」が舞い降りたような感覚でした。
ひとつひとつの音が、胸の奥にやさしく触れてくる。

まるで、「今ここ」にしか存在しない、透明で尊い何かが、丁寧に語りかけてくるようでした。

同じピアノなのに? これまでの演奏者たちもみんなとても素晴らしくて上手だったのに?
ほんとうに、同じ楽器なのだろうか?
そう思ってしまうほど、音の質も、広がりも、立ち上がる空気の振るえも、まるで別世界のものでした。

ピアニストのほんとうの力は、ただ音を並べることではなく、ピアノをとおして、喜びの色、風の音、悲しみに暮れた夜の闇の深さ、そして、この世を超えた「天の国」としか呼べない場所から届く響きを、この世界に連れてくることなのだと思いました。

そのとき、わたしの中に自然に浮かんだ言葉は、こうでした。

「これは、天国から届いた音なんだ。」

ああ、そうか。
わたしたちが音楽に心を打たれる理由は、きっとこれなのだと。
楽器が持つほんとうの力。音楽家たちのほんとうの姿。
音楽家たちは、その音を通して、私たちを“目には見えないけれど確かにある場所”へと連れていってくれる。

彼らの存在そのものが、ここと、もうひとつの世界をつなぐひとつの“通路”なのかもしれません。
そして、彼らはきっと人間の姿をしているけれども、ピアノと出会うために地上に舞い降りてきた天使なんじゃないかな。と、そう感じたのでした。

と同時に、

「そうだ!私もいつかグランドピアノを買うのだ!」と決意した自分の人間らしさもまた、なんだかおもしろいものだとしみじみしたのでした 笑。

 

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
文責:さめじまみお

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