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体外離脱と経営者と魂の願い

体外離脱と経営者と魂の願い

メルマガ『ブッダスクール通信』齊藤つうり特別コラムより

 

58歳の経営者のOさんが心臓発作で突然亡くなった。
まずお経を上げにいき、亡くなった時の様子をご家族に聞く。
亡くなった本人もまったくの突然のことで、何の準備も
できていなかったと思うと、ご家族が話した。

こういった葬儀の場合、私は体外離脱を行ない、
死者とコンタクトを取るようにしている。

夜にコンタクトの時間を設ける。
まず体外離脱の感覚を自分の内側に見出す。
それは私にとって産道の狭い狭いトンネルを再び通る
ような感覚だ。

五感が閉じ込められたような感覚に集中をする。
それがある程度まで進むと、飛行機が離陸する時の
ような轟音が周囲に響いてくる。
物理領域は重い。
その重さを脱ぎ捨てて、アストラル体が抜け出そうと
することは、重い機体を持つ飛行機が大地から離れる
ことと近い。

肉体の重さと同時にそこから抜け出そうとする
上昇の力を同時に感じる。

肉体から離脱するその瞬間に、亡くなったOさんを
強く思い描く。今回のターゲットだ。
いくつかの思念の輪を通り抜け、Oさんの自宅に降り立つ。

訃報をうけて家に訪れる人たちに、Oさんは挨拶を
している。Oさんの様子は、生前とまったく変わらない。
懸命に頭を下げ、悪いね悪いね、と言っている。
死にたての人の認識のフィルターは非常に強い。
そのために本人はまだ自分が生きているという設定で、
やってきた人も何か別の件で自宅に挨拶に来たと
捉えているようだ。

私も久しぶりにOさんに会いに来たという設定で、
話しかける。「あ。住職悪いですね。お越しいただいて」
と、本当にすまなそうなお顔で頭を下げる。

私はこのOさんを生前からよく知っている。
挨拶を一通りしたのちに、会社の経営について、
最近どうかと質問をする。
経営の話や、従業員の心配の話などを一通りOさんは話す。

そしてOさんの生涯を見せてもらうために、
二人でOさんのアカシックの領域ー今世の情報ーへと入る。

初めて父の家業をみた時の印象。
仕事を手伝い出したとき、初めて認められた喜び。
そして自分たちが作り出した製品が、店に並ぶときの興奮。
移り変わる時間軸を共に歩き、
あるポイントでぴたりとOさんが歩みを止める。

「ここで父と訣別をしたんです」とOさんが言う。
そして今回の人生の最も強い後悔は、父と訣別を
したことであり、その時の口論を非常に悔いているのだ
という告白を聞く。

最も強い後悔と魂の願いは、このアカシックの領域では
相補関係になっている。そのため、火の噴き出すような
Oさんの父との激論の場面の内側へと私とOさんは飛び込む。

そこにはOさんの父の願いの純粋な姿が展開している。
皆がほんとうに安心して、くつろいで笑顔ですごせる
ようにと願い、この事業をはじめたときの場面。

Oさんはその父の純粋な様子を見て、驚きに目を見開く。
そしてOさんは言う。

「ずっと忘れていたけれど、私が幼い頃、父はたしかに
こういう人でした。そんな父を見て、私も同じ願いを
持ったのでした。私も父も同じ願いをもっていたけれど、
やり方が違っただけだったんだ」

Oさんは自らの魂の願いとつながり、光に包まれる。
そしてOさんと私は、Oさんの自宅に戻る。
自分の遺体をはじめて見るOさん。
Oさんが私に聞く。

「私は死んだのか。
住職、これからどうすればいいでしょうか?」

私は答える。
「肉体があってもなくてもやることは同じなんです。

私たちができることは
自分自身を表していくことだけなんでしょうね」

※今回の内容は実際の体験に基づいた内容ですが、プライバシー保護のため、
登場人物の詳細などは変更して書かれております。ご了承ください。

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