
【ブッダスクール通信vol.63】「散骨とエレメントの関係と少し先の未来」
みなさま、こんにちは!
ブッダスクール通信メルマガ担当のさめじまみおです。
2月も半ばに差し掛かり、寒さの中にもほんのりと
春の気配を感じる頃になりましたね。
この時期、体調を崩しやすい方も多いのでは
ないでしょうか。実は今月、わたし自身も子どもの
体調不良に直面し、改めて「母の愛情」というものに
ついて深く考えさせられる場面がありました。
この感覚、この感情は、わたしのものではあるけれど
わたし個人のものではないような気がする。
目の前で苦しげにしている子どもの姿を見ている
わたしの眼は、わたしだけの眼ではない気がする。
今回の出来事がもたらしてくれたものとは――?
……の、つづきには編集後記にて。
さてさてお待たせしました!
ここでしか読めない、つうりさん特別コラムに
さっそくいってみましょう。
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〔1〕齊藤つうり特別コラム
「散骨とエレメントの関係と少し先の未来」
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「散骨を希望しています」
と最近、耳にすることが多い。
私は寺の住職として、月にだいたい3回ほどの葬儀に関わる。
そして私のポジションは臨床の宗教家、というスタンス
だと自分で理解している。
臨床とは死の床のことだから、死の現場において、
宗教観を持って接していくことが私の仕事なのだ。
また実家が寺ということもあり、
その意味では50年近くの時間を私は、
死の現場に接している。
そのような現場では人が死や葬儀をどんな
ふうにとらえているのか、がとても見えやすい。
そして、葬儀や埋葬の形式の変遷によって、
私たちの集合意識としてのスピリチュアリティが
どのように変化してきたのかをはっきりと確認できる。
かつて日本では土葬による埋葬が一般的だった。
土葬のメリットは、地水火風の土のエレメントを
もっとも強く所有することができることだ。
土とは物理的な肉体と本能的なエネルギー、
経済と直結している。死者が土葬によってその
肉体を地に留めることは、強烈なホールド力を
発揮する。自分自身が培ってきた経験、経済力を
家系にそのまま引き継がせ、単独ではなし得ない
長い時間を生きようとするときに、土葬
(あるいはミイラも)は最良の手段となる。
また自分自身が再び家系に生まれてくる際の
錨の役割を果たす。
だからこそ、天皇家や豪族、あるいはエジプトの
ファラオたちは、その肉体を可能な限り原型の
ままに留めることで、個人を超えた一貫した
経済力と意図を持ち、ときには数千年にわたって
土地や国を統治することが可能だったのだ。
次に火葬。現代でも一般的に用いられている手段だ。
土葬と火葬の違いは火のエレメントが介入することにある。
死者が火に焼かれることで、物理的肉体の
大部分が消失する。この際に死者の物理的肉体に
帰属するエーテル体に大きな影響を及ぼす。火の
エレメントは本能的な欲求や帰属意識を焼き払うのだ。
その作用は、死者は土地への執着や家系への
つながりを断ち切る効果をもたらす。
日本が戦後、近代化するにつれ、この火葬の
習慣が徐々に一般化した。それは単なる文化的な
進歩に見える。しかしこの火のエレメントの作用
としてみた場合、そこには別の視点が示される。
火のエレメントを介することで、日本人はみるみる
うちに土地や家系といったものから、解放され、
あるいは断ち切られ、より個人を強く発揮する方向へと
進むこととなったのだ。
そのことがしばらく続いた結果、私たちは
個としての力を増したが、家系や土地の力から切り離された。
個人としての目標や生きがいは持つが、家系が
どこへ向かうのかという視点は消え、
また子孫を残すという義務も消えた。
そして散骨へと集合意識は向かう。
散骨は風のエレメントが強く介入する。
骨を撒く、という行為は、自分というものは
どこにも属さず、あらゆる場所に遍満する存在で
あるというアイデンティティと重なり、
それは風のエレメントそのものだ。
風のエレメントはメンタル体に作用する。
メンタル体は、人間の思考と具体的な経験と信念を
蓄積する。そこに風のエレメントが介入することで、
個人の思考と具体的な経験と信念は霧散し、
地球のアカシックレコードへの回帰する効果を持つ。
つまり風のエレメントは私たちが個であることを
手放すように作用する。
散骨の際には、骨を細かく粉砕する。
細かく砕いた骨はまるで小麦粉のようだ。
以前に一度、散骨に立ちあわせていただいた機会があった。
遺族の方々と共に小型の船に乗り、散骨可能な海域へ。
その日はとても天気が良く、
海は青くどこまでも透き通っていた。
私は経を読み、故人の成仏を祈願する。
そして遺族により骨が撒かれた。
粉状の骨は白い絵の具のように海に溶けていく。
波が渦を巻き、骨の白と海の青が混ざり合って、
エメラルドグリーンに変わっていく。
その瞬間、故人がそこに浮かび上がり、
そのオーラがやはりエメラルドグリーンに輝く。
自分自身の信念や経験が溶けていったことがわかる。
そして故人の魂は、家族や遺族を離れ、飛び立つ。
遺族は皆泣いている。
この散骨は私にとって、大きな印象を残した
出来事だった。そして同時に私に二つの明確な
視座をもたらしてくれた。
一つ目の視点は、私たち人間の意識は
たしかに変容している、ということだ。
それはスピリチュアルな言い方でいえば
アセンションに向かっているということができる。
二つ目の視点は、この先私たちは何を残せる
だろうか、ということだ。
土地を離れ、長い時間を失い、さらに私たちは
個としての立ち位置も失いつつある。
やがてアセンションするのだから、個人の自由と
スピリチュアリティの探求をどこまでも高めるのが
良いとするのは、ある意味では正しい。
けれどその視点に傾きすぎるなら、おそらく
私たちは国も経済も家族も失う結果となる。
風のエレメントは、たしかにすべてを霧散させる。
その意味を具体的に考えると、まさにそういうことなのだ。
おそらく、以前の私であれば散骨を希望したはずだ。
私の個人的な願いは、本質的な自由を得ることであり、
地球という経由地にそれほど長く止まることは
私の選択になかったから。そうであるなら、骨を
家系に回帰させるよりも、魂としての自由を望んだはずだ。
けれどいま私には子供がいる。
私の父や祖父がそうであったように、私もまた
自分の子供に残すべきものがあり、子供達を守りたいと
望む気持ちが強くなった。
また私は僧侶とアカシックリーダーという
役割を自分に課している。
それは地球の最後の一人が覚醒するまでサポートを
するという輪廻を超えた誓いであり、個としての
私を超えたつらなりのなかで持つアイデンティティでもある。
そのような理由から、いまの私は墓に入ることを
希望している。
けれどそれは必ずしも個としての自由の
探求を放棄したということではない、と私は考える。
少し先の未来。
私たちは個としての自由をどこまでも本質的に
追求し、スピリチュアリティを高めることと、
人類全体が自然と調和し、維持存続していることを
同時に行える時代に入っていくはずだ。
少し先の未来では、それぞれの個々人が
自分の段階やプロセスのなかで、どのように
亡くなり、何を残し、どこへ向かっていくのかに
ついて、現実的にもスピリチュアル的にも理解している。
そして魂はどこまでも自由に宇宙を飛び回り、
肉体はどこまでも地球と調和し、普遍的な
自然的宗教観のもとに循環していく。
そう。
少し先の未来では、二つの異なる意識を
統合することが私たちの人間の唯一の目的なのだと
誰もが理解している。
私の願いはたった一つ。
私が知っているその懐かしい未来を、
少しでも早く私たちが体験できますように。
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〔2〕最新スクール情報
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【開催まであと2週間】先祖供養セラピーワークショップ
2025年3月1日(土)・2日(日)in 甲府(高源寺)
このワークショップは、あなたの家系の流れと
ブロックを認識し、先祖たちの総体である「祖霊」の
望みを理解し「祖霊」とつながり、エネルギーの滞りを
解き放ち、生きる力として使っていくという2日間の
ワークショップです。
さらに、私たちがどのように先祖供養という大きな大きな
財産を、現実に活かすことができるのかということについて
お伝えしています。また一日の終わりに、法要式の形式を
使い、家系の滞ったエネルギーを解き放ち、無限の愛の源
である祖霊とつながるワークを行っていきます(※)。
※
このワークショップの目的は、仏教の既存宗派の
教えや他の宗教の先祖供養の考え方や方法を
否定することではありません。各々の宗派、
宗教の先祖供養の方法を含んだ上で、新しい視点を
提示する目的で行われます。
【募集中】第4期アカシック《ベーシック》コース
2025年4月19日(土)開講 《全講義オンライン形式》
この4日間のクラスでは、アカシックレコ-ドに
関する基本的な概念、読み解くための方法、そして
他者をリ-ディングするための実践的なテクニック
を習得することができます。この4日間を終了する
ことによって、恒久的な変化があなたに訪れること
でしょう。そのことによって、あなたはアカシック
レコ-ドという存在が、あなた自身と密接に関連して
おり、仕事、人間関係、健康などのとらえ方に大きな
変化が起こることを体感することでしょう。
またこのクラスでは新しいスキルである「アカシック
ガイドセッション」を習得します。これは従来の
リーディングの方式とは異なり、「アカシックを直接
体験する」ためのものです。
感情や身体レベルの深い領域を扱い、大きな解放と
気づきをもたらします。
【募集開始】Total Integration Course
2025年5月10日(土)開講 《全講義オンライン形式》
Total Integration Course は、自己統合と個性化の
ビジョンのための新しいプログラム。
スクールの根幹である自己統合クラスと弥勒力
クラスをひとつの流れとして昇華させることで、
「個性化のスクール」としての本質をより
磨き上げた形へとステップアップしました。
本コースは、過去と未来を統合し、本質的な
生命力を得て、なれる最高の自分(=個性化)を
生きるための9ヶ月のプログラムです。個性化とは、
あなた自身が本来持つ個性に触れることで、本来
そうなるであろうあなた自身へと統合されていく
プロセスのこと。最終的には「個性化の道ーなれる
最高の自分ー」へとつながる道を参加者は見出すことで、
高度かつ柔軟なスピリチュアリティを獲得し、認識の
空を羽ばたく、大きな自由を獲得することでしょう。
世界がその古い殻を脱ぎ捨て、新しいありようへと
変容するその瞬間、あなた自身もまた新しい自己へと
ひらかれるタイミングを迎えているはず。
この2025年の「地球が覚醒する一年」により、あなた
自身が開かれ、外の世界と結びつくその瞬間こそ
「目覚め」を体験するタイミングといえるでしょう。
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〔3〕編集後記
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病気で苦しむ子どもを前にして、ただただ回復を願い、
祈ることしかできない時間。そのなかでふと、今生きて
いる自分と、遠い遠い過去にいたであろう、名も知らない
「母たち」という大きく息づいている存在たち。
そうか、そうだよね。遠い過去から今に至るまで、
こうしてすべての母たちは子を想い、わたしたち
人類の命をつないできたのだと、頭ではなくてどこか
もっと深いところで気づいたのです。
熱で苦しむ子どもを眺めているわたしの眼は、
これまでの何百年、何千年もの昔から、同じような
場面で同じように子どもをひたと見つめていたであろう
これまでのすべての母たちの眼でした。
わたしの眼をとおして、彼女らは愛する子どもを
じっと見つめていました。
彼女らの眼を感じながら、重ね合いながら、わたしは
我が子と、そしてこれまでのすべての子どもたちの
姿を見つめることができました。
いくら歴史を学んでもなにも感じなかったけれど、
そんな時間の中で、ふと「人類はこうやって命を
つないできたのか」と思いました。
文明が発展する遥か昔、医療もなく、熱を下げる
薬もない時代。母親たちは、ただひたすら子どもの
回復を願い、看病し、祈り続けたのでしょう。
そして、そうした母たちの手と想いの積み重ねの中で、
わたしたちは今ここに生きている。
太古から受け継がれてきたもの。
時代を超えて変わらない、子どもを見つめる普遍のまなざし。
そしてそれは、母親だけが持つものではなく、
わたしたちひとりひとりの中にも、きっとあるもの
なのだと思います。
誰かを想い、回復を願い、そばにいること。
その想いの強さが、世界をやさしく照らして
いくのかもしれません。
今朝はほんの少しだけ熱が下がって、青白かった
顔色にわずかに赤みが差していました。
それだけで、ただただありがたく、見えないなにかに
向かって胸の奥から感謝が湧き上がってきました。
きっとこの湧き上がる感謝の念もまた、
わたし個人のものではなく、ただただ生き物の
中に流れる普遍的なものなのかもしれません。
みなさまも、どうぞお身体を大切に。
みなさまの大切な人々が、いつでも健やかでありますように!
今日も最後までお読みくださり、ありがとうございました!
文責:さめじまみお
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