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この世界にはまだ歌われていない歌がある。
その歌はきっと歌われることを待っている。

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見える人

世界にはいつでも「見える人―見者―」が存在しています。

  
デルフォイの神殿の予言者たち、ノストラダムス、空海…。

普通の人ではわからない未来が見通せ、物事の起源がわかる。知り得ない歴史を語り、時には科学的な領域にまで見識が及ぶ。
SF映画のような話ですが、実際はSF映画よりも遥かに大きな能力を持つ人たちが世界には常に存在しています。

そのような見者が世界に存在する役割とは何でしょうか?

見者はこの地球の観察のポイントのひとつなのです。
すべての人は似たような生き方をしているように見えても、少しずつ違った生き方をし、様々な可能性を埋めつづけています。
そのあらゆる生き方の「反応」を見者は観察しつづけています。

たとえばこんな想像をしてみてください。

1000%すべてが見通せる人物がいるとします。
そして未来のあらゆる出来事と、可能性が見える。
地震、災害、病気、ビジネス-。あらゆるジャンルにわたってすべてが完璧にわかる。
さて。もしそんな見者がいたとしたら、あなたにとってどんな役にたつと思いますか?

もしあなたが人生におこる可能性のすべてを聞いたとしたら、あなたの人生はすべて上手くいくのでしょうか?

答えはこうです。

「未来を知っていることと、それを生きることはまったく別」
そんなはずはないでしょ。
先がわかっていたほうが生きやすいにきまっているでしょ…?
と思うかもしれません。

ですが、本当にそれは間違いなのです。

未来に起こる出来事、トラブルなどは、あなたの内側と何の関係もなくそこにあるわけではありません。

あなた自身の深い部分が、「本当に何を求めているのか?」
という全体性が呼び寄せる「縁の力-引き寄せ-」
によって、未来の出来事が存在しています。

私も、昔から自分の未来がわかることがありました。
ひとつ自分の経験から例を上げたいと思います。

21歳の時、私はある女性と出会いました。
出会った瞬間に、「この人と結婚する」ということが、ただわかったのです。

その後、その女性と親しくなっていきました。そして付き合い始めて2年後、夢でその人と離婚届を書いている場面を見ました。近くで子どもが泣いています。

その頃には、私は現実になる夢とそうでない夢との区別がつくようになっていたので、彼女と結婚したら、離婚するのだと、頭でははっきりと理解していました。

しかしその夢の直後、2人の間に子どもが出来たことがわかり、私たちは結婚をしました。
そして4年後に離婚をしたのです。
離婚届けを書いているとき、夢のシーンそのものをなぞるような不思議さを体感しながら。

このことを話すと「なぜ未来がわかっていながら、何もできなかったの…?」とよく聞かれます。

この質問に、私はこんな風に答えます。

「現実には何もできなかったかもしれない。だけどわかっていたからこそ、体験のすべてを味わい尽くすことができたのかもしれない」。

アカシックレコードの観点では、すべての避けられない出来事は「覚醒するための気づきのために自らが設定しているもの」だとされています。

もしあなたが見者になり、未来を知っていたとしても、その出来事そのものを避けることはできない場合もあります。

だけど、あなたが、なぜその体験を自らの人生に必要とし、そこでどんなバランスをとることが求められているのか、本当の意味でわかるなら。

その体験を恐れずに受け入れて、「すべて味わい尽くす」ことで、どんな悲しみの局地ですら、あなたは純粋なる喜びの源へつながることができるのかもしれません。

そしてすべての体験を味わい尽くしたその時に。

繰り返す永遠のメリーゴーランドである、輪廻の輪からおりることができるのかもしれません。

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