「沈黙を守れ」
「沈黙を守れ」
つらいとき。
人は動きたくなる。
誰かに話したくなる。
何か変化を起こしたくなる。
そういうときに動いてしまうと、
内側から大切な何かが漏れていってしまう。
そういうときには、沈黙を守ることだ。
あるいは誰かに非難されたり、
敵対する相手の思考に影響されないためには、
沈黙を守ることだ。
怯える人は、饒舌だ。
未来の手綱を手放せない人は、あっちこっち動き回る。
さあ。座ろう。
呼吸を静かに整えよう。
そうすると自ずと気づきがやってくる。
この世界はいつでも不安定だ。
困ったように見えることもあれば、充実しているように見えるときもある。
そんなのは知ったことじゃない。
そこにあなたは存在していない。
本当のあなたはじっと沈黙している。
あらゆることを感じながら。
あらゆることを見通しながら。
ただ沈黙している。
だからこまったときこそ、沈黙を守ることだ。
つらいときこそ、動かないことだ。
沈黙を続けたそのときに、ある感覚があなたに訪れる。
とてつもなく深くて大きい穴を覗き込んだことはあるだろうか?
あのときにやってくる奇妙な感覚。
あなたが穴そのものになってしまったような、不思議な感覚。
まさにあの感覚があなたを包む。
それは魂の深淵。
そこに飲み込まれるのが怖いのは、沈黙が怖いからだ。
思い切って、沈黙の深淵に身を投げなさい。
あなたの沈黙の中心へと降りていきなさい。
そこにあなたがいる。
誰からも影響を受けず、
誰とも話さず。
たった一人ですべてを知るあなたがいる。
だから
沈黙を守りなさい。
そうしてあんなに恐れていた沈黙はあなたの親友になる。
この記事へのコメントはありません。